ヘンリー=アレックス・ルビン 『ディス/コネクト』 レビュー

Review

現代における他者との関係を炙り出すネット社会版『クラッシュ』

ヘンリー=アレックス・ルビンが監督した『ディス/コネクト』を観て、すぐに思い出すのはポール・ハギスの『クラッシュ』だ。クルマ社会における人と人の距離に着目することで、複数の人物が入り組むポリフォニック(多声的)な物語を巧みに構築していくのが『クラッシュ』であるとするならば、この映画はそのネット社会版といえる。

『クラッシュ』では、クルマをめぐる様々なトラブルを起点として、人種や階層に関わる溝が浮かび上がり、軋轢が生じ、悲劇に発展していく。登場人物たちは、目に見える他者の表層に対する先入観や偏見に振り回されることになる。

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