『祝祭性と狂気 故郷なき郷愁のゆくえ』 渡辺哲夫



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現代精神医学という封印を解く

本書については、ラース・フォン・トリアーの『アンチクライスト』のレビューのなかで、長めに紹介、引用しているので、そちらを先に読んでいただければと思う。

また取り上げるのは、『アンチクライスト』だけではなく、トルコのセミフ・カプランオール監督のユスフ三部作(『卵』、『ミルク』、『蜂蜜』)を観るうえでも、参考になるからだ。

ユスフ三部作では、ユスフという主人公の成長過程を追うのではなく、壮年期から青年期、幼少期へと遡っていく。そんな三部作の共通点として見逃せないのが、登場人物が発作を起こして倒れる場面が盛り込まれていることだ。それらは癲癇の発作のように見える。

●第一作『卵』
2:00を過ぎたあたりにその場面が出てくる。

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『多言語国家スペインの社会動態を読み解く』 竹中克行



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映画『BIUTIFUL ビューティフル』の背景に関心がある人に

一昨年だったと思うが、近所の図書館の新刊コーナーに並んでいるのを見かけて読んだ本。

内容はこんな感じ。「スペイン各地の言語や文化を背負って移動する人々の役割に注目しながら、地域間に存在する格差が人口移動を媒介としてホスト社会の中に織り込まれ、新たな格差の構造となって立ち現れるプロセスを解き明かすこと、それが本書の中核をなす目標である」(「はしがき」より引用)

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02/10トークショー終了



News

『ゼロ年代アメリカ映画100』刊行記念トークショー、無事に終了いたしました。人前でお話をするのは、レッドフォードの『クイズ・ショウ』の一般試写で、上映前に作品の紹介をやって以来ほぼ15年ぶりだったので、どうなることやらと内心ひやひやしてましたが、場慣れした大森さんのおかげでひどい混乱に陥ることもなく、2時間弱、最後まで乗り切ることができました。

会場も盛況でひと安心。個人的なゼロ年代ベストテンの作品に触れつつ、脳内、50年代サバービア、サンフェルナンド・ヴァレー、南部、国境、野生、生者と死者など様々なテーマを取り上げましたが、いかがだったでしょうか。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

02/10トークショーの打ち合わせ



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『ゼロ年代アメリカ映画100』刊行記念トークショーについてはすでにお知らせしましたが、芸術新聞社の編集者の根本さん、大森さんと筆者の3人でその打ち合わせをやりました。大森さんと筆者がセレクトしてきた「ゼロ年代アメリカ映画ベストテン」を照らし合わせてみたら、重複しているのは1作品だけでした。それはゼロ年代の始まりを告げる1本、トークショーでも最初に取り上げる作品になるかと思います。

筆者がセレクトしたのは、完成度や重要度が高い作品というよりは、それぞれにゼロ年代を象徴するような意味を持つ作品で、同様の意味を持つ別の作品も候補にあげていたのですが、大森さんのリストには、もしかすると筆者が選んでいたかもしれない作品がけっこう入っていたので、視点やテーマなどかみ合ったトークになりそうです。

『ゼロ年代アメリカ映画100』刊行記念トークショー



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昨年の12月半ばに出版された『ゼロ年代アメリカ映画100』(芸術新聞社)に、「アメリカの一体性はいかにして構築されるか」というコラムを書いています。冷戦以後のアメリカの変化や9・11という断層を踏まえ、過去と現在を再接続するようなヴィジョンを持った作品を取り上げました。

この『ゼロ年代アメリカ映画100』刊行記念イベントとして、同じくコラムを書かれた大森さわこさんとトークセッションをやることになりました。テーマは「ゼロ年代、人間の絆と映画表現」です。大森さんと筆者が選んだそれぞれの「ゼロ年代アメリカ映画ベストテン」なども発表する予定です。祭日の前日ですので、ご興味のある方はぜひご来場ください。

■日時:2011年2月10日(木)19:00開演(18:30開場)
■会場:ジュンク堂新宿店 8階喫茶にて
入場料1,000円(1ドリンクつき)
■定員:40名

詳しくは以下サイトをご覧ください。
芸術新聞社 ゼロ年代アメリカ映画100 関連イベント1
ジュンク堂書店 新宿店 トークセッション情報

american film100

『ゼロ年代アメリカ映画100』 芸術新聞社/A5判/並製/320頁/2,730円(税込)