『スター・ウォーズ』神話の根底にあるものとは?

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フォースの暗黒面やダース・ベイダーに象徴される悪の位置づけ

神話学者ジョゼフ・キャンベルが世界各地の英雄伝説に共通する基本構造を抽出してみせた『千の顔をもつ英雄』。ジョージ・ルーカスがこのキャンベルの代表作からインスピレーションを得て『スター・ウォーズ』の世界を創造したことはよく知られている。また、デール・ポロックのルーカス伝『スカイウォーキング』によれば、カルロス・カスタネダの『未知の次元』も大きな影響を及ぼしているという。

『スター・ウォーズ』シリーズとキャンベルやカスタネダの著書には深い結びつきがあるが、それらを照合してもルーカスの世界が見えてくるわけではない。『スター・ウォーズ』という神話の特徴は、イニシエーションやシャーマニズムよりも、フォースの暗黒面やダース・ベイダーに象徴される悪の位置づけにある。

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「BRUTUS」のスター・ウォーズ特集

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スター・ウォーズのBlu-rayを体験した人も未体験の人も、ぜひ

1日(土)発売の「BRUTUS」10/15号のスター・ウォーズ特集でコラムを書いております。テーマは“『スター・ウォーズ』と神話”。このテーマで真っ先に思い浮かぶものといえば、神話学者ジョゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』でしょう。キャンベルとビル・モイヤーズの対談を収めた『神話の力』(飛田茂雄訳/早川書房/1992年)にはこのように書かれています。

「ルーカスがキャンベルの著作から恩恵をこうむったことを明らかにしたうえで、<スター・ウォーズ>三部作を見に来てほしいとキャンベルを招待してから、二人は親友になっていた」

「BRUTUS」2011 10/15号

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