キラン・アルワリアと『灼熱の魂』とカナダの多文化主義をめぐって

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「るつぼ」とは違う「モザイク」が生み出す文化と相対主義のはざまで

カナダは世界に先駆けて国の政策として多文化主義を導入した。その政策には二本の柱があった。一本は、ケベック州と残りのカナダがひとつの国家としてどのように存在すべきなのかという課題に答えるものだ。カナダの多文化主義の功罪をテーマにしたレジナルド・W・ビビーの『モザイクの狂気』では、以下のように記されている。

同委員会の勧告に基づいて、公式の政策声明が出された。カナダには二つの建国民族――フランス人とイギリス人――がいると宣言された。これ以後、カナダは二つの公用語――フランス語と英語――を持つことになる。カナダ人は一生いずれの言語で暮らしてもよい。一九六九年、この考えは確固不動のものになった。公用語制定法の通過に伴い、異集団間を支える主要な二つの礎石の一つ――二言語併用主義――が据えられた

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『灼熱の魂』劇場用パンフレット



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カナダの異才ドゥニ・ヴィルヌーヴの独自の話術と世界に迫る

カナダのアカデミー賞であるジニー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞など主要8部門を独占し、米国アカデミー賞の最優秀外国語映画賞にノミネートされた傑作『灼熱の魂』。この映画の劇場用パンフレットに「物語の力――偶然と必然の鮮やかな反転」というタイトルで作品評を書いています。

これを読めばどうしてももう一度観たくなる。そういう原稿になっていると思います。劇場で作品をご覧になりましたらぜひパンフもチェックしてみてください。