『BIUTIFUL ビューティフル』試写

試写室日記

本日は試写を1本。

『BIUTIFUL ビューティフル』 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

『アモーレス・ペロス』『21g [21グラム]』のレビュー、あるいはイニャリトゥとコンビを組んでいた脚本家ギジェルモ・アリアガの監督作『あの日、欲望の大地で』のレビューで書いてきたように、複数の物語を断片化し、時間軸を操作し、再構成するようなイニャリトゥのスタイルにはずっと違和感を覚えてきた。

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『テザ 慟哭の大地』試写

試写室日記

本日は試写を1本。

『テザ 慟哭の大地』 ハイレ・ゲリマ

エチオピア出身でアメリカ在住のハイレ・ゲリマ監督が、祖国の歴史やディアスポラ体験を、現実と記憶や悪夢を自在に交錯させながら描いた力作。

作品そのものについてはまたあらためて書くつもりだが、伝統的な音楽にエレクトロニックな要素を取り入れたり、60~70年代のジャズを意識したスタイルを盛り込んだりと、誰が音楽を手掛けているのか興味をおぼえつつエンド・クレジットを見ていたら、いまをときめくジャズ・ピアニストのヴィジェイ・アイヤーとJorga Mesfin(“ethio jazz”を掲げるバンドWudasseに参加していたサックス奏者で、“The Kind Ones: Degagochu”というアルバムを出している)だった。

作品とともにアイヤーとMesfinの音楽も評価されているようで、カルタゴやドバイの映画祭では音楽賞を受賞している。

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