趙曄(チャオ・イエ)『ジャライノール』レビュー



Review

ふたりは「日常」と「記憶」のはざまにある風景を旅する

中国映画界の新鋭チャオ・イエ監督の長編第2作『ジャライノール』は、実に素晴らしい映画だった。

舞台は、ロシアと国境を接する内モンゴル自治区にあるジャライノール炭鉱。そこは蒸気機関車の最後の聖地といわれる場所であり、その広大な風景のなかに、年老いた機関士ジュー・ヨウシアンと、年の離れた後輩リー・ジーチョンの絆が描き出される。

チャオ・イエ監督が見つめるのは明らかに消えゆくものだが、この映画にはノスタルジーとは一線を画す強度がある。

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『ジャライノール』2011年1月15日(土)よりポレポレ東中野にてロードショー!!

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ファティ・アキン・インタビュー



News

1月6日発売の「キネマ旬報」2011年1月下旬号に、トルコ系ドイツ人の監督ファティ・アキンのインタビューが掲載されています。

一度は会ってみたい監督のひとりだったが、予想以上に魅力的な人物だった。新作『ソウル・キッチン』のこと、ハンブルクの再開発のこと、ドイツの映画産業のこと、音楽のこと、彼に影響を与えたクルド人監督ユルマズ・ギュネイのこと、なにを尋ねても、彼のコメントには反骨精神が滲み出してくる。しかも、決して突っ張っているわけではなく、当たり前のことのようにごく自然に。そういうところは、アレックス・コックスに通じるものがある。