セミフ・カプランオール 『卵』 『ミルク』 『蜂蜜』 (ユスフ3部作)レビュー



Review

発作、夢、死、動物――見えない世界への扉が開かれる

トルコ映画界を代表するセミフ・カプランオール監督の“ユスフ三部作”は、ユスフという人物の人生や世界を題材にしているが、その構成が少し変わっている。彼の成長過程を追うのではなく、壮年期から青年期、幼少期へと遡っていくのだ。但し、厳密には過去へと遡るわけではない。三作品はいずれも現代のトルコを背景にしているからだ。

第一部の『卵』では、イスタンブールに暮らす詩人ユスフのもとに母親の訃報が届き、遠ざかっていた故郷に戻った彼のなかに失われた記憶が甦ってくる。

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ファティ・アキン・インタビュー



News

1月6日発売の「キネマ旬報」2011年1月下旬号に、トルコ系ドイツ人の監督ファティ・アキンのインタビューが掲載されています。

一度は会ってみたい監督のひとりだったが、予想以上に魅力的な人物だった。新作『ソウル・キッチン』のこと、ハンブルクの再開発のこと、ドイツの映画産業のこと、音楽のこと、彼に影響を与えたクルド人監督ユルマズ・ギュネイのこと、なにを尋ねても、彼のコメントには反骨精神が滲み出してくる。しかも、決して突っ張っているわけではなく、当たり前のことのようにごく自然に。そういうところは、アレックス・コックスに通じるものがある。