『オール・イズ・ロスト~最後の手紙~』 映画.com レビュー

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男はすべてを失うとき、なにかを悟る

2014年3月14日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿シネマカリテほか全国ロードショーになるJ・C・チャンダー監督の新作『オール・イズ・ロスト~最後の手紙~』(13)に関する告知です。「映画.com」の3月4日更新の映画評枠で、上記のようなタイトルで本作のレビューを書いています。

人生の晩年を迎え、自家用ヨットでインド洋を単独航海する男。ところが突然、ヨットが海上の漂流物に衝突するという事故に見舞われたことから、男の運命が一変し、過酷なサバイバルを強いられることになります。

舞台は大海原、登場人物はロバート・レッドフォードが演じる名前も定かではない男ただひとり。台詞もほとんど無きに等しいといっていいでしょう。アルフォンソ・キュアロン監督の『ゼロ・グラビティ』を連想する人もいるかもしれません。


レビューでは触れなかったことを書いておきます。筆者が映画を観る以前にまずそそられたのが音楽でした。サントラを手がけたのは、インディ・バンド、Edward Sharpe & The Magnetic Zerosのフロントマン、アレックス・エバート。アルト・フルート、ダブル・ベース、バイオリン、チェロ、バンジョー、ギター、ヴォイスなどを駆使して、バンドとはまったく違う静謐で深みのあるサウンドスケープを作り上げていました。

そんな音に、海や船が沈むイメージが絡むためか、ギャヴィン・ブイライアーズの『タイタニック号の沈没』をちょっと連想したりもしました。エバートはこのサントラで、ゴールデン・グローブ賞の作曲賞を受賞しました。ちなみに、最近は私が強い関心を持つニューオーリンズに拠点を移しているとのことで、音楽も変化していきそうな予感がします。

この映画は、ロバート・ゼメキスの『キャスト・アウェイ』やアン・リーの『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』と比較しても面白いと思います。2本の映画の主人公は、絶望のなかにひとりで取り残される恐怖から逃れるためにバレーボールやトラという他者を必要としました。もちろん、絶望的な状況の長さも違いますし、現実とファンタジーという違いもありますが、いずれにしてもJ・C・チャンダー監督は、バレーボールのような他者を使わない演出や内面のドラマを意識していたようです。

それでは「映画.com」の『オール・イズ・ロスト~最後の手紙~』レビューをお読みください。