大森一樹監督にインタビューしました
『世界のどこにでもある、場所』(2月26日公開)と『津軽百年食堂』(4月2日公開)という2本の新作が公開される大森一樹監督にインタビューしてきました。まったくタイプの違う2本の新作について、あるいは日本映画の現状について率直な言葉で語っていただき、刺激的で興味深いインタビューになりました。記事は「キネマ旬報」の3月上旬号に掲載予定です。
『世界のどこにでもある、場所』(2月26日公開)と『津軽百年食堂』(4月2日公開)という2本の新作が公開される大森一樹監督にインタビューしてきました。まったくタイプの違う2本の新作について、あるいは日本映画の現状について率直な言葉で語っていただき、刺激的で興味深いインタビューになりました。記事は「キネマ旬報」の3月上旬号に掲載予定です。
昨年の12月半ばに出版された『ゼロ年代アメリカ映画100』(芸術新聞社)に、「アメリカの一体性はいかにして構築されるか」というコラムを書いています。冷戦以後のアメリカの変化や9・11という断層を踏まえ、過去と現在を再接続するようなヴィジョンを持った作品を取り上げました。
この『ゼロ年代アメリカ映画100』刊行記念イベントとして、同じくコラムを書かれた大森さわこさんとトークセッションをやることになりました。テーマは「ゼロ年代、人間の絆と映画表現」です。大森さんと筆者が選んだそれぞれの「ゼロ年代アメリカ映画ベストテン」なども発表する予定です。祭日の前日ですので、ご興味のある方はぜひご来場ください。
■日時:2011年2月10日(木)19:00開演(18:30開場)
■会場:ジュンク堂新宿店 8階喫茶にて
入場料1,000円(1ドリンクつき)
■定員:40名
詳しくは以下サイトをご覧ください。
■芸術新聞社 ゼロ年代アメリカ映画100 関連イベント1
■ジュンク堂書店 新宿店 トークセッション情報
家族の不和を抱えつつ、小さな熱帯魚店を営む主人公・社本が、同業者で人の良さそうな村田と知り合ったことで、想像を絶する破滅的な世界に引きずり込まれていく。
園子温監督の『冷たい熱帯魚』は、『紀子の食卓』や『愛のむきだし』で突き詰められてきた家族の世界にひとつの区切りをつける作品といえる。
筆者が『紀子の食卓』公開時に園監督にインタビューしたとき、彼は“家族”についてこのように語っていた(園子温インタビュー)。
「日本では、伝統的な家族の在り方というものが、古くからあるように見せかけているけれども、本当はないと思うんですよ。それがあるのなら、いつから崩壊したのか逆に問いただしたい。そんな曖昧さのなかで、幸せな家族の在り方があると信じ込み、家族を形成していくことの危うさを表現したかった」
『ブローン・アパート』のヒロインは、警察の爆弾処理班の夫と4歳の息子とロンドンのイーストエンドに建つ公団に暮らす“若い母親”(ミシェル・ウィリアムズ)だ(この映画では彼女の名前は明確にされない)。夫の危険な仕事が大きなストレスになっていた彼女は、パブで出会ったジャスパー(ユアン・マクレガー)と関係を持ってしまう。彼は公団の向かいに建つジョージアン様式の建物に暮らす新聞記者だった。
そして事件が起こる。夫と息子をサッカー観戦に送り出した彼女は、路上で偶然再会したジャスパーと情事に耽っていた。そのときテレビのサッカー中継が爆音にかき消される。スタジアムで自爆テロが起こったのだ。このテロで息子と夫を亡くした彼女は、罪悪感と喪失感に苛まれる。ジャスパーと夫の上司だったテレンスが、そんな彼女に手をさしのべようとするが、やがてテロ事件をめぐる秘密が明らかになる。