『coast range arc』 by Loscil

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カナダの険しい山々にインスパイアされたサウンドスケープ

Loscilは、カナダ出身のエレクトロニック・アンビエントの作曲家Scott Morganのプロジェクトだ。彼はすでに5枚を超える作品を発表しているが、この新作『coast range arc』は、ジャケットアートを見ただけでもテーマが異なることがわかる。

これまでの作品はKrankyからのリリースだったが、新作はGlacial Movements。このイタリアのレーベルは、ジャケットアートも統一され、かなり明確なテーマやカラーを持っている。人類が忘れ去ってしまった場所としての氷の世界を呼び覚まし、独自のサウンドスケープを切り拓こうとするアンビエント・レーベルとでもいえばよいか。

『coast range arc』 (2011)

loscil – coast range arc (album preview) by experimedia

ひと口に氷の世界といっても、ミュージシャンによって様々なアプローチがあるが、Loscilの場合には、具体的なものや場所からインスピレーションを得る傾向が強い。新作も例外ではない。


このアルバムに収められた<Black Tusk><Fromme><Stave Peak><Neve><Brohm Ridge><Goat Mountain>という6曲のタイトルは、太平洋岸北西部、ブリティッシュ・コロンビア州の沿岸部にそびえる山々からとられている。そこにある氷河、湖、滝、峡谷、壮大な景観にインスパイアされて、サウンドスケープを作り上げているのだ。

となればやはり、どんな景観なのか実際に見てみたくなる。↓これは1曲目のタイトルになっているBlack Tuskだ。もちろん音楽はLoscilではないが、どんな山か確認するにはいい映像だ。

それからもうひとつ、必見なのがこの映像。ロサンジェルスでテレビのドキュメンタリーやCMを制作しているJames Careyが、Loscilから音楽を使用する許可を得て作った作品。

使っているのは6曲目の<Goat Mountain>。ブリティッシュ・コロンビアの山々の上を(Goat Mountainも映っているという)通り過ぎていく雲の映像と音がよくマッチしている。

The Clouds Must Be Angry from james carey on Vimeo.

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Loscil
Coast/ Range/ Arc – Loscil
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