『スカイライン―征服―』 『光のほうへ』 『プッチーニの愛人』試写

試写室日記

本日は試写を3本。

『スカイライン―征服―』 ストラウス兄弟

ある日突然はじまったエイリアンによる地球侵略。圧倒的な力を持つエイリアンの前に、主人公である普通の人々はなすすべもない。昆虫型、クラゲ型、深海魚を参考にしたクリーチャーたちに捕獲されていく人々を見ながら、なんとなくドナ・ハートとロバート・W・サスマンの『ヒトは食べられて進化した』(化学同人、2007年)のことを思い出していた。人類の祖先は、狩る者ではなく、トラやライオン、クマ、オオカミなどの肉食動物に狩られる者だった。この映画は、そういう学説を意識して作っているわけではないと思うが…。

『光のほうへ』 トマス・ヴィンターベア

レベルの高い映画であることは間違いないが、ヴィンターベアの作品だと思うと複雑になる。これまで公開されたヴィンターベアの作品『セレブレーション』『ディア・ウェンディ』と比べると、この映画には彼の感性や個性が発揮されるようなシチュエーションが限られているからだ。

『プッチーニの愛人』 パオロ・ベンヴェヌーティ

登場人物が発する言葉といえば、手紙の朗読くらいのもので、台詞に頼らない寡黙なスタイルで貫かれている。だから音が目立つことになるが、風や水にからむ林や湖の音やピアノの響きが素晴らしく、フィールド・レコーディングと音楽を巧みに重ねた作品のようだと思っていたら、音響デザインを手がけたのはミルコ・メンカッチだった。この盲目のサウンド・デザイナーの生い立ちは、『ミルコのひかり』として映画化されている(単なる伝記映画にとどまらない優れた作品になっていた)。そして、この『プッチーニの愛人』でも彼が重要な役割を果たしていて、エンド・クレジットが終わるまで音に聴き入ってしまうのだ。

ちなみにプレスには音響についてこのように説明がある。「本作『プッチーニの愛人』では、メンカッチ自身が考案した<スフェリカル・サウンド>と呼ばれる独自のシステムによって、繊細で斬新な音響を再現するのに成功。音の微妙な遠近感と空間を生み出すため、1本のブームに5本のマイクを装備して周囲の音を漏らすことなく拾い出し、臨場感にあふれたサウンド・スペースを構築している」

●amazon.co.jpへ