今週末公開オススメ映画リスト2011/08/04



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週刊オススメ映画リスト

今回は『一枚のハガキ』と『モールス』の2本です。

『一枚のハガキ』 新藤兼人

新藤兼人監督が自ら「最後の映画」と宣言して作り上げた作品。監督の実体験をもとに戦争の悲惨さや不条理が描き出されるので、登場人物と彼らが繰り広げるドラマに関心が向かうかと思うが、もうひとつ見逃せないものがある。

たとえば、『ふくろう』に、登場人物を見つめる“ふくろう”という他者の視点があったように、この映画にも、鳥や虫の声を通して常に外部の自然が意識されている。そして、最後にそんな自然の声が大きな意味を持つことになる。詳しいことは、『一枚のハガキ』劇場用パンフレットの作品評をお読みください。

『モールス』 マット・リーヴス

スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のリメイク。詳しいことは、『モールス』レビューをお読みください。

余談ながらこの映画、表面的にはまったく似ていないのに、アレックス・コックスの『レポマン』を思い出させるところがある。どちらからもレーガン時代のランドスケープが浮かび上がってくる。『レポマン』はロスアラモスの地図から始まり、『モールス』はロスアラモスを舞台にしている。『レポマン』の主人公オットーの両親は反共を唱えるテレビ伝道師に洗脳され、オットーのものになるはずだった1000ドルを寄付してしまう。『モールス』では、オーウェンの母親が信仰にのめりこんでいることが、彼の孤独の一因になっている。『レポマン』のオットーは、ミラーという謎めいた他者とともに閉ざされた世界から舞い上がる。『モールス』のオーウェンは、アビーという他者とともに雪に閉ざされた町を出る。

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