今週末公開オススメ映画リスト2013/03/07

週刊オススメ映画リスト

今回は『メッセンジャー』『愛、アムール』『魔女と呼ばれた少女』『野蛮なやつら/SAVAGES』(順不同)の4本です。

『メッセンジャー』 オーレン・ムーヴァーマン

今回のリストのなかで、この作品についてはノーマークという人が少なくないのではないでしょうか。2009年製作の作品ですが、いろいろ賞にも輝いていますし、正直、なぜすぐに公開されなかったのか不思議に思いました。

イラク戦争という題材については、『告発のとき』『ハート・ロッカー』『グリーン・ゾーン』『バビロンの陽光』『フェア・ゲーム』『ルート・アイリッシュ』など、様々な監督が様々な切り口から描いていますが、これはその盲点をつくような作品といっていいでしょう。

戦死者の遺族に訃報を伝える任務を負うメッセンジャーの世界が描かれています。ベン・フォスターとウディ・ハレルソンがメッセンジャーに、サマンサ・モートンが夫を喪った母親に扮しています。出番は多くないですが、スティーヴ・ブシェミも息子を喪った父親の役で出てきます。

「CDジャーナル」2013年3月号の新作映画のページでレビューを書いています。こういう映画はもっと注目されていいと思います。

『愛、アムール』 ミヒャエル・ハネケ

レビューを途中まで書いてあるのですが、忙しくなってしまいまだ完成していません。明日か明後日にはアップするつもりです。とりあえず『愛、アムール』試写室日記をお読みください。

そこに書いたハネケの空間の表現については、もちろんレビューでも言及します。音楽が鍵を握るところがあるので、これまでのハネケ作品のなかでは『ピアニスト』に通じるものがあります。音楽だけではなく、象徴的な死の表現にも接点があると思います。

お待たせしました。『愛、アムール』レビュー(3月10日更新)

『魔女と呼ばれた少女』 キム・グエン

すでに『魔女と呼ばれた少女』レビューをアップしてありますので、ぜひお読みください。ヒロインのコモナを演じたラシェル・ムワンザは、離婚した母親からネグレクトされ、ストリートで暮らしていたとのこと。ベルリン国際映画祭での銀熊賞はアフリカ女性初の快挙だそう。

ベトナム人の父親を持つキム・グエン監督は、カナダ・ケベック出身。このブログでは、そのケベック絡みで、カナダの多文化主義についていろいろ書いていますが、日本でそういうことに関心を持つのはやはり難しいですかね。

いずれにしても、ケベック出身の監督たちが他者や異文化に強い関心を持ち、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がヨルダンで『灼熱の魂』を撮り、クロード・ガニオン監督が日本で撮り(沖縄を舞台にした最新作『カラカラ』のパンフに原稿を書いてますので、ぜひ)、キム・グエン監督がコンゴでこの映画を撮っているというのは、個人的にはたいへん興味深いことのように思います。

『野蛮なやつら』 オリヴァー・ストーン

すでに告知しましたように、「映画.com」に「グローバリゼーションの時代の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』」というタイトルでレビューを書かせていただいておりますが、直接、「映画.com」にとばずに、まずは『野蛮なやつら/SAVAGES』映画.comレビュー&ノーマン・メイラーをお読みになってから、そこのリンクでレビューにとんでください。レビューの前置きのよなことが書いてありますので、よりわかりやすくなるかと思います。