『野蛮なやつら/SAVAGES』 映画.com レビュー & ノーマン・メイラー

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グローバリゼーションの時代の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』

「映画.com」の本日(2月19日)更新の映画評枠で、上記のようなタイトルで、オリヴァー・ストーン監督の新作『野蛮なやつら/SAVAGES』のレビューを書いています。『野蛮なやつら/SAVAGES』試写室日記でも触れたように、この映画を観て筆者がまず連想したのは『ナチュラル・ボーン・キラーズ』と作家のノーマン・メイラーが“ヒップスター”について書いたテキストのことだったので、レビューもそういう切り口になっています。

『90年代アメリカ映画100』で筆者が担当した『ナチュラル・ボーン・キラーズ』のテキストをお読みになっている方は、よりわかりやすいかと思います。

ノーマン・メイラー(1923-2007)をご存じない方のために少し解説を。彼は、アメリカという巨大なサーカスのテントのなかで、自らスリリングな綱渡りを演じることによって、時代を劇的に映し出すトリックスターのような存在だった。

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『ザ・マスター』 『野蛮なやつら/SAVAGES』 試写

試写室日記

本日は試写を2本。

『ザ・マスター』 ポール・トーマス・アンダーソン

アンダーソンのオブセッションと深く結びついた強烈なオリジナリティに圧倒される。IBDbで偶然見かけたある観客の感想がこの映画の魅力を物語っている。細かいことは忘れてしまったが、その人は、よくわからないが、すごい映画だと思うという趣旨のことを書いていた。

一般的にアメリカではやはりまずわかりやすさが求められる。だからこの映画のように、明確なストーリーではなく、複雑な内面を持つ二人の主人公のキャラクターがそのまま映画の世界になっているような作品というのは、わからないですまされかねない。ところが、わからなくてもすごいと思われるということは、尋常ではない説得力を持っているということになる。

この映画には、個人的に興味をそそられる要素がいろいろ盛り込まれている。たとえば、これは偶然だが、筆者は、『倒壊する巨塔:アルカイダと「9.11」への道』を書いたジャーナリスト、ローレンス・ライトの新作『Going Clear:Scientology,Hollywood, and the Prison of Belief』を読み出したところだった(いや、Audiobookでゲットしたので聴き出したところだったというべきか)。

本書はサイエントロジーの実態に迫るノンフィクションで、タイトルにあるように、ハリウッドとの繋がりも掘り下げられている。話は少しそれるが、導入部は若き日のポール・ハギスが勧誘されるところからはじまる。以前、ハギスの『スリーデイズ』の原稿を書いたときに、カナダ・オンタリオ州生まれのハギスが20代でハリウッドに出てきた経緯がなんとなく気になっていたのだが、その頃からすでにサイエントロジーと関わりがあったことがわかる。

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