ジャン=マルク・ヴァレ 『ダラス・バイヤーズクラブ』 レビュー

Review

伝統的なカウボーイ文化から排除され、カウボーイに還る

実話に基づくジャン=マルク・ヴァレ監督の『ダラス・バイヤーズクラブ』の主人公は、80年代半ばのテキサスで電気技師として働きながら、ロデオと酒と女に明け暮れるカウボーイ、ロン・ウッドルーフだ。ある日、自分のトレーラーハウスで意識を失い、医師からHIV陽性、余命30日と宣告された彼は、動揺しつつもエイズの情報をかき集める。

ランディ・シルツの大著『そしてエイズは蔓延した』に書かれているように、当時のアメリカで何らかの治験薬を投与されていたエイズ患者は1割にも満たず、薬剤の入念な試験が終わるのを待つ間に力尽きる患者が跡を絶たない状況だった。

そこでこの主人公は、メキシコに行って国外で流通する治療薬を仕入れ、自分で使うだけでなく、商売も始める。直接、薬を売買するのはまずいので、会費を募り、必要な薬を無料で配布するというシステムを作る。それが“ダラス・バイヤーズクラブ”だ。

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『ザ・イースト』 『ダラス・バイヤーズクラブ』 試写

試写室日記

本日は試写を2本。

『ザ・イースト』 ザル・バトマングリ

主演から脚本・製作までこなす才女ブリット・マーリングと新鋭ザル・バトマングリ監督のコラボレーション第2弾。いまハリウッドで注目を集める彼らが選んだ題材はエコテロリズム。

マーリングが演じるのは、テロ活動からクライアント企業を守る調査会社に採用された元FBIエージェントのジェーン。サラと名前を変え、正体不明の環境テロリスト集団< イースト>に潜入した彼女は、大企業の不正や被害者の実情を知るうちに、彼らの信念に共感を抱くようになるが…。

キャストは、< イースト>のリーダー、ベンジーにアレクサンダー・スカルスガルド、< イースト>の重要メンバー、イジーにエレン・ペイジ、調査会社の代表シャロンにパトリシア・クラークソンという顔ぶれ。

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