『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』 レビュー

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高潔な理念は幻想と化し、善悪や敵味方の境界が崩れていく

「映画.com」の9月29日更新の映画評論枠で、『マージン・コール』、『オール・イズ・ロスト~最後の手紙~』のJ・C・チャンダー監督の新作『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』のレビューを書かせていただきました。キャストは、オスカー・アイザック、ジェシカ・チャステイン、デヴィッド・オイェロウォ。

レビューをお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』レビュー | 映画.com

アリーチェ・ロルヴァケル 『夏をゆく人々』 レビュー

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理想化され、利用される伝統から抜け出すことで、少女は成長を遂げる

筆者ホームページ“crisscross”の方に、イタリアの新鋭女性監督アリーチェ・ロルヴァケルの長編第2作『夏をゆく人々』(14)のレビューをアップしました。カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた作品で、アリーチェの姉で女優のアルバ・ロルヴァケルやモニカ・ベルッチが出演しています。アリーチェのデビュー作『天空のからだ』(11)にも言及しています。レビューをお読みになりたい方は以下リンクからどうぞ。

アリーチェ・ロルヴァケル 『夏をゆく人々』 レビュー

ジャン=マルク・ヴァレ 『カフェ・ド・フロール』 レビュー

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ケベック映画の監督としての新たな挑戦
時空を超えた家族の対立と和解の物語

筆者ホームページ“crisscross”の方に、ジャン=マルク・ヴァレ監督の『カフェ・ド・フロール』のレビューをアップしました。劇場用パンフレットに書いたものです。ヴァネッサ・パラディが主演しています。レビューをお読みになりたい方は、以下のリンクからどうぞ。

ジャン=マルク・ヴァレ 『カフェ・ド・フロール』 レビュー

ヴァレの作品は、ケベックに深く根ざした作品と国外で撮った作品に大きく分けることができますが、これは前者に属する作品で、ケベック映画としての前作にあたる『C.R.A.Z.Y.』のレビューを先に読まれると、よりわかりやすいかもしれません。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』劇場用パンフレット

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偏屈老人とひ弱な少年の友情

2015年9月4日(金)より全国ロードショーになるセオドア・メルフィ監督・脚本・製作の『ヴィンセントが教えてくれたこと』(14)の劇場用パンフレットに、「物語に自然に溶け込むキャストの妙。」というタイトルで作品評を書いています。

ビル・マーレイを中心に、新人ジェイデン・リーベラー、メリッサ・マッカーシー、ナオミ・ワッツ、そしてテレンス・ハワードとクリス・オダウドというキャストの個性と彼らのアンサンブルを通して作品の魅力に迫るような原稿になっています。

劇場で映画をご覧になりましたら、ぜひパンフレットもお読みください。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ 『プリズナーズ』 レビュー

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過去や罪に囚われた者たちの運命を分ける、偶然と信仰心

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『プリズナーズ』は、ペンシルヴェニア州で工務店を営むケラーとその息子が鹿を狩る場面から始まる。親子が狩猟を終え、獲物を車の荷台に載せて自宅に向かっているとき、ケラーは父親から教えられたことを息子に伝える。それは「常に備えよ」という言葉に集約される。実際、自宅の地下室には、食料から防毒マスクまでサバイバルに必要なあらゆるものが備えられている。私たちは、ケラーの父親というのは、非常に用心深く、何事にも動じない人物だったのだろうと思う。

ところが、ドラマのなかでそんな印象が変わる。ケラーの行動に不審を抱いた刑事のロキは、古い新聞記事から、州刑務所の看守を務めていた彼の父親が自宅で自殺したことを知る。その事情は定かではないが、当時ティーンエイジャーだったケラーが立ち直れないほどのショックを受けたことは間違いない。

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