シルヴァン・エスティバル監督+女優ミリアム・テカイア・インタビュー

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マージナルな立場にこだわり、他者を理解し、受け入れる

『ガザを飛ぶブタ』監督と主演女優に取材でお伝えしたインタビューの記事がTIFFのサイトにアップされました。エスティバルは、フランスの通信社AFPのフォトディレクターとしてラテンアメリカを担当。ジャーナリスト、カメラマン、作家であり、砂漠についての書籍や、小説、テオドール・モノの伝記なども出版している。ミリアム・テカイアはチュニジア出身で、台湾映画にも出演しているとのこと。彼女の幸せオーラ、写真からでも伝わるのでは。

インタビューは↓こちらからどうぞ。
【公式インタビュー】コンペティション『ガザを飛ぶブタ』

『ガザを飛ぶブタ』監督と主演女優に取材

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ジャーナリスティックな視点と強烈なユーモアのコントラスト

TIFFのコンペ作品『ガザを飛ぶブタ』の監督シルヴァン・エスティバルと主演女優のミリアム・テカイアにインタビューした。フランス人のエスティバルは、ジャーナリスト、カメラマンであり、小説や伝記を書く作家でもある。ちなみに彼の小説「Le dernier vol de Lancaster」は、カリム・ドリディ監督、マリオン・コティヤール、ギョーム・カネ主演で映画化されている。筆者は観たことないが、どうも原作の脚色がひどかったらしく、これなら自分で作れると思ったことも、映画に進出した理由のひとつになっているとのこと。

試写室日記でも少し書いたと思うが、一方で非常にジャーナリスティックな視点を盛り込みながら、ブタから精子をとるためにブタのピンナップを作ってしまうというような、この極端な振幅はどうも性分であるようだ。

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『プレイ』 『最強のふたり』 『デタッチメント』 『哀しき獣』 試写

試写室日記

22日から始まるTIFF(東京国際映画祭)の上映作品を4本。

『プレイ』 リューベン・オストルンド

スウェーデンのリューベン・オストルンド監督が実話にインスパイアされて作り上げた作品。タイトルの『プレイ』が示唆するものは、ミヒャエル・ハネケの『ファニーゲーム(Funny Games)』に呼応しているともいえるし、マチュー・カソヴィッツの『憎しみ』の世界をハネケ的な分析と表現で描いた作品のようでもある。

生理的に拒絶反応を起こすような表現も盛り込まれており、賛否両論あるかと思うが、筆者は引き込まれた。シェルビー・スティールが『黒い憂鬱』で提起しているような問題とも絡む要素がある。

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『ヘッドショット』 『アルバート・ノッブス』 『運命の死化粧師』 試写

試写室日記

22日から始まるTIFF(東京国際映画祭)の上映作品を3本。

『ヘッドショット』 ペンエーグ・ラッタナルアーン

『地球で最後のふたり』や『インビジブル・ウェーブ』のラッタナルアーン監督作品。主人公の過去と現在、記憶と真実が複雑に入り組むノワール。

タイ・バンコクのヒットマン、トゥルは任務遂行中に頭を撃たれる。昏睡状態から目覚めた彼には世界が逆さまに見える。逆さまなのは世界なのか彼なのか。

ラッタナルアーンは、様々にスタイルを変えながら「因果応報」や「贖罪」というテーマを掘り下げてきたが、それは確かにこの作品にも引き継がれている。独自のハードボイルドな美学が際立っている。

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『キツツキと雨』 『ガザを飛ぶブタ』 『別世界からの民族たち』試写

試写室日記

22日から始まるTIFF(東京国際映画祭)の上映作品を3本。

『キツツキと雨』 沖田修一

『このすばらしきせかい』や『南極料理人』の沖田監督作品。役所広司と小栗旬のやりとりがあまりに可笑しくて、観ているあいだに何度吹き出してしまったことか。引き延ばしたり、スパッと切るドラマの間やタイミングも絶妙で。

『南極料理人』は原作があったので、設定や人物の関係がいくぶん整いすぎているところがあったが、この新作は『このすばらしきせかい』をシュールに発展させた感じ。『このすばらしきせかい』の主人公の若者と叔父さんの関係が、駆け出しの映画監督と木こりの関係に引き継がれている。

沖田ワールドに欠かせない古舘寛治が今回は狂言回しのようなポジションを担い、『このすばらしきせかい』で古舘が占めていたポジションに役所広司が入っているのだが、これがまたはまっている。それにしても映画監督と木こりがこんなふうに結びついてしまうなんて、面白すぎる。

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